WordPressでWEBサイトを作成する際は、ネット上にサーバーが必要になります。
この記事では、初心者に適した有名どころのレンタルサーバーから、勝手がわからない海外のサーバーまで、関わった経験があるWEB屋の筆者が、デメリットも含めてレンタルサーバーの選び方を比較し、おすすめサーバーをご紹介しています。
サーバー選びで失敗しないために
ワードプレスだけのお話ではありませんが、WEBサイトを公開するためには「サーバー」が必要になります。
そもそもサーバーとは何なのか
ここではザックリと説明しますが、私たちが書いた記事やインストールした画像はサーバーの中に格納されています。
サーバ または サーバー(英: Server)は、サービスを利用者のリクエストに応じて提供するソフトウェア、あるいはその機能が稼働しているコンピュータのこと
wikipedia
Wikiでは上記のように説明されています。
ネット上にサイトを反映させるためのシステムのようなもの。というように考えれば(ちょっと違うかも…)
無料ブログからWordpressに引っ越す方は「無料ブログの時はそんなもの必要無かったのに」、と思われるでしょうが、無料ブログの時にもサーバーはありました。
FC2やseesaaなど、各社が持っているサーバーを借りていたわけですね。ワードプレスになると、ドメインからサーバーまで全部自分で手配しなければなりません。
それは面倒でお金がかかることですが、同時に「無料ブログのサーバーの不具合などに悩まされることがなくなる」という自由を得たことにもなるのです。Wordpressは自由であり、また何もかも自己責任でもあります。
サーバーを値段(安さ)だけで決めるとどのようなことが起きるのか
で、初心者の方や無料ブログを運営していた方が陥りがちなのが ×「なるべく安く」の精神です。
ブログから月に何万も収入が入るような事をするならともかく、個人で文章をちょっと書きたいだけだしPVも1日100くらいだし、ウチは安くていいんだ……その精神が後でとんでもない苦労を生みます。
例えばデータベースバージョンアップ
WordPressは一度作ったら放りっぱなしにすることは出来ず、データベースのアップグレードなどの作業が不定期的に必要になります。
当方がサーバー関連のお仕事で受けることが一番多いのがロリポップのデータベースアップグレードです。正直、途中まで失敗した状態で依頼されるよりも初めからご依頼いただきたいです。
当方は比較的お安くサービスをご提供していると思いますが、WEB制作会社によっては1万を超える案件だと思います。せっかく安いサーバーをレンタルしても、何かあるたびに依頼しなくてはならないようですと、全くお得ではなくなりますね。
例えばサーバーの引っ越し
2017年、この記事を書いたころに当方は「さくらインターネット」からエックスサーバーに引っ越しました。
当時、さくらを使っていた多くのサイトが503エラーに悩まされており、まともなサイト運営を続けるためにはサーバーを移転するしかない状態でした。(2022年現在、さくらインターネットは転送量が無制限になり、この事態は解決されているようです)
当初、さくらを選んだのは安かったからです。そしてエックスサーバーに変えたのは、安定性を重視したからです。
結果、変更して本当に良かったと思っています。移転して5年、一度もトラブルもエラーもなくサクサクと複数サイトを運営しております。
サーバーの変更はボタン一つでポチッとできるものではなく、ファイルもデータベースも全部移す大掛かりな引っ越し作業です。
よく、アクセスが少ないうちは安い所と契約して、アクセスが増えたら変えればいいや、というような声を聞きますが、
サーバーの移転は大変な作業です。
はい。これも、たぶん、慣れていない方は依頼することになると思います。初めからきちんと考えて決めた方が良いですね。
サーバーは情報を充分に集めて慎重に決めましょう!!
価格・メリットデメリット付き・サーバー比較表
有名どころを一覧にしました。多くのプランを持っているサーバー会社もありますが、スタンダード(WordPressが十分に運用できる容量300GB前後)を基準に表にしています。
サーバー名 | 初期費用/円 | 月額/円 | 容量/GB | 転送量/月 | バックアップ | 過去の大きな障害 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エックスサーバー | 3300 | 990(36か月) | 300 | 無制限 | あり | 2022年数時間の電源設備不具合 | 安定・操作性 | 他社に比べて高い |
バリューサーバー (スタンダード) | 2200 | 367(12か月) | 100 | 300GB | なし | 2021年2日間にわたるダウン | 安い | 他社に比べてスペックが劣る |
ConoHa WING | 無料 | 1320(36か月) | 300 | 6TB | あり | 2021年SSL証明書更新障害 | ページスピードが速い | サポート対応がイマイチ |
mixhost | 無料 | 968(36か月) | 250 | 無制限 | あり | ぼちぼち報告あり | アダルトサイト運用OK | ドメインの移管は受けていない |
さくらインターネット | 1048 | 524 | 300 | 無制限 | あり | 2017年頻発する503エラー(近年はほぼ安定) | 安い | 管理ページの操作性がイマイチ |
お名前.com | 無料 | 990(36か月) | 400 | 無制限 | 有料 | ぼちぼち報告あり | 無料独自ドメインつき | 表示速度がイマイチ |
カラフルボックス | 無料 | 484(36か月) | 300 | 6TB | あり | 2021年数日に渡る障害 | 安い | 土日にサポートなし |
ロリポップ! (ハイスピードプラン) | 無料 | 550(36か月) | 350 | 無制限 | あり (復元有料) | 近年はほぼ安定 | 安い | 管理ページの操作性がイマイチ |
初心者にお薦めのサーバーランキング
初心者に限定して「使いやすい・安定性のある・操作しやすい」サーバーを3つご紹介します。
エックスサーバー
メリット
- 高い安定性
- 操作が簡単で分かりやすい管理画面
- 無料バックアップ
- 丁寧なサポート
当方も2017年に移転してから5年間使用し、一度も障害に見舞われたことがありません。恐ろしいほどの安定。
デメリット
他社に比べて高いと思われがちですが、「初期費用無料」や「ドメイン永久に1つ付属」や「半額」などのキャンペーンを不定期的に行っており、キャンペーンの時に契約すれば割高感もなくなります。ConoHa WING
メリット
- 高い安定性
- 操作が簡単で分かりやすい管理画面
- 無料バックアップ
- 「爆速」と言われるほどの表示速度
近年急速に利用者が増えています。Wordpressを初めて使う方にとって不安が尽きない管理画面の操作性が抜群に良いです。
「Cocoon」「SWELL」「SANGO」など有名テーマをインストール時に簡単に設定できます。(有料テーマは提携特別価格)
デメリット
設定は高く感じられますが月額740円でドメインも付いてくるようなキャンペーンを頻繁にやっているので、契約はキャンペーン時にすれば他社のどこよりも格安になり、デメリットとは言えないでしょう。- WAFの誤検知が多い
- サポート対応が遅い
ConoHaに関するサーバー作業のご依頼で多いのが、「エラーでサイトが表示されない」「ダッシュボードのテーマ設定からカスタマイズが出来ない」というもので、いずれもセキュリティ設定のWAFが原因のことがほとんどです。分かっていればご自身でも対処できることだと思います。
2021年の障害でサイトが表示されなくなった時、サポートメールの返信に2日も掛かって驚きました。(仕事柄たくさんのサーバーに問い合わせを出していますが、これは遅い……)
この時は多くの方がTwitterでも戸惑っておられたので、恐らくはこの後はこのようなことが無いように対応して下さっていると思います(信じております)
ロリポップ!ハイスピードプラン
メリット
- 安い!
- 老舗の安心感
わざわざプラン名まで書いているのは「ハイスピードプラン」のみお薦め!だから、なので安いからって「ライトプラン」の契約はやめましょう!
ロリポップ! にはたくさんの格安サービスが用意されてますが
- 99円「エコノミー」ワードプレスには使えない
- 220円「ライト」電話サポートは受けられない
- 440円「スタンダード」110円を惜しんで「ハイスピード」よりも遥かに劣るスペックで契約する意味が分からない
デメリット
- 管理画面の操作性がイマイチ
- 自動バックアップは復元有料
- ハイスピードと言うほどハイではないかも……
目的別サーバー選び
サイト制作の目的別におすすめサーバーをご提案いたします。
特徴 | サーバー名 |
---|---|
とにかく安心安定 | エックスサーバー |
とにかく速さ | ConoHa WING |
とにかく安く | ロリポップ!ハイスピードプラン |
アダルトサイト運用OK | mixhost カラフルボックス |
サーバー契約の前には「〇〇+エラー」「トラブル」などで検索を
サーバーだけではなくプラグインに関してもテーマに関してもですが、何か取り入れようと思ったら、まず「〇〇 エラー」や「〇〇 トラブル」「〇〇 障害」などで検索して、順調に使える物かどうか充分に調べましょう。
もう一つ、サイト制作などに関わる記事は「書かれた日付(あるいは更新した日付)の解らない物は参考にしないこと」。
明らかにアフィリエイト目的だけで書かれた記事を参考にしないこと。
これが大事だと思います。
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